
人的資源獲得の新手法:組織買い
組織買いとは、大規模な企業が、特定の技術や知識を持つ人材集団を獲得するために、その集団が所属する小規模な新興企業を丸ごと買収する、独特な人材獲得戦略です。これは、事業や技術そのものではなく、人材そのものに価値を見出す点が通常の企業買収とは異なります。二千年代中頃に米国の巨大情報技術企業が始めたとされ、技術革新が急速に進む現代において、即戦力となる人材を迅速に確保する有効な手段として注目されています。
しかし、組織買いは新興企業にとって、必ずしも好ましい結果をもたらすとは限りません。買収後、新興企業のブランドや事業が維持されず、解散に至る可能性もあるため、将来の成長機会を失うリスクも伴います。組織買いは、大企業にとっては効率的な人材獲得手段となり得る一方で、新興企業にとっては将来を左右する重要な決断となるでしょう。