
金利の変動幅を狭める仕組み:コリドー・システム
コリドー制度は、中央銀行が短期金利の変動範囲を狭めるために設ける仕組みです。具体的には、貸付制度における上限金利と、預金準備に対する付利金利という下限金利を定め、その間の範囲に市場の短期金利を誘導します。この上限と下限に挟まれた範囲が廊下のように見えるため、コリドー(廊下)制度と呼ばれています。中央銀行は、この範囲内で短期金利を調整することで、金融市場を安定させ、経済全体の安定的な成長を目指します。従来の金融政策では、市場操作などを通じて目標とする金利水準に誘導していましたが、コリドー制度は金利の変動幅をより直接的に管理できるという特徴があります。世界中の多くの中央銀行で採用されており、金融政策の効果を高める上で重要な役割を果たしています。