
証券決済機構セデル:その役割と変遷
セデルは、欧州の金融市場における債券等の有価証券の受渡と決済を一元管理するために設立された国際的な証券決済機関です。ベルギーの首都に本部を構え、ユーロクリアと並び、世界的に重要な二大集中決済機構として知られていました。その設立は、国際的な金融取引の複雑化に伴い、効率的かつ安全な決済制度の構築が不可欠となった時代背景から生まれました。異なる国や地域の金融機関が円滑に取引を行うには、信頼できる第三者機関が決済を仲介し、危険を管理する必要があります。セデルはまさにその役割を担い、欧州金融市場の安定と発展に貢献しました。参加金融機関は、セデルの制度を通じて有価証券を効率的に移転し、決済を完了させることが可能です。これにより、取引の迅速化、事務処理費用の削減、そして決済に関する危険の軽減といった利点が生まれていました。また、国際的な株式の決済業務も担い、国境を越えた投資活動を円滑にする重要な基盤としての役割も果たしていました。