
資産の大転換:安全からリスクへ
二〇一二年後半、投資の世界では「資産の大転換」という言葉がよく聞かれました。これは、投資家がこれまで安全と考えていた資産から、よりリスクの高い資産へ資金を移す動きのことです。背景には、米国の財政問題や欧州の債務問題が落ち着き、世界経済が回復するという期待感がありました。景気が良くなれば企業の業績も上がり、株価も上がると考えられます。そのため、国債のような安全な資産から、株式などのリスク資産へと資金を移す動きが活発になったのです。この動きは、投資戦略の根本的な見直しを意味し、市場全体に大きな影響を与えました。リスク資産への資金移動は市場の変動を大きくする可能性もありますが、経済成長を促す力にもなります。投資家は、リスクと利益のバランスを考えながら、新しい投資先を探しています。この時期の市場の動きを知ることは、今の金融市場を理解する上でとても大切です。