コーポレートガバナンス

二千年代初頭、我が国は深刻な経済的苦境に直面していました。その原因は、長期にわたる景気低迷と、それに伴う金融機関の不良債権問題でした。多くの金融機関が、回収不能な債権を抱え、経営の安定を損なっていました。この状況が続けば、金融システム全体の機能停止を招き、経済活動に大きな悪影響を及ぼす可能性がありました。この危機的な状況を打開するため、政府は金融機関の再生に本格的に取り組む必要がありました。そこで策定されたのが、金融再生計画です。この計画は、短期的な危機を乗り越えるだけでなく、将来にわたって健全で維持可能な金融システムを築くことを目標としていました。不良債権問題の根本的な解決と、金融機関の体質強化を通じて、我が国の経済再生を目指すという強い決意が込められていました。この計画の成否は、我が国の未来を左右すると言っても過言ではありませんでした。金融庁は、その重要な役割を担い、詳細な計画の策定と実行に全力を注ぎました。