
欧州連合の深化と拡大への礎:アムステルダム条約
アムステルダム条約は、欧州統合の深化を目指し、一九九七年に調印、一九九九年に発効しました。これは、欧州連合を創設したマーストリヒト条約を修正するもので、社会経済情勢の変化に対応するため、制度改革と政策調整が求められた背景があります。条約の主な目的は、民主主義の強化、意思決定の効率化、市民の自由と安全の確保、そして将来的な欧州連合の拡大への備えです。特に、拡大を見据えた機構改革は重要課題であり、政策実行能力の向上が焦点となりました。また、共通外交・安全保障政策の強化は、国際社会における欧州連合の影響力を高め、紛争予防や危機管理での役割を拡大するために不可欠でした。アムステルダム条約は、これらの目標達成への道筋を示し、欧州統合の新たな段階を拓きました。