
金融街の興亡:ウォール街の過去、現在、そして未来
金融の中心地として名高いウォール街の歴史は、17世紀のオランダ植民地時代に端を発します。当時は文字通り「壁のある通り」であり、ニューアムステルダムの北端を守る壁がその起源です。イギリスの支配下に入ると、商業の中心地としての色合いを濃くしていきました。そして18世紀末、独立戦争を経てアメリカ合衆国が誕生すると、ウォール街は国家経済を支える重要な役割を担うようになります。1792年にはニューヨーク株式取引所の前身が設立され、株式取引が開始。これが金融街としての本格的な発展の契機となりました。19世紀には、鉄道や通信技術の革新がウォール街の成長を加速。企業が株式を発行し、投資家から資金を集める場となり、アメリカ経済の発展と共にその重要性を増していきました。20世紀に入ると、ウォール街は世界を牽引する存在となりますが、1929年の大暴落は世界恐慌を引き起こし、大きな転換点となりました。その後、規制強化などの改革を経て再び成長を遂げています。