
量的緩和第三弾について
量的緩和第三弾、通称QE3は、米国の中央銀行にあたる連邦準備制度理事会が、二〇一二年九月に導入を決定した金融政策です。これは、二〇〇八年の金融危機からの経済回復を促すための一連の政策の第三段階にあたります。量的緩和とは、中央銀行が市場にお金を供給し、経済活動を活発化させる政策です。QE3では、住宅ローンを担保とした証券を毎月四百億ドル購入するという、購入総額を定めない方式がとられました。これは、住宅ローン金利を引き下げ、住宅市場を活性化させることを目指したものです。当時、住宅市場は金融危機の影響から立ち直っておらず、経済全体の重荷となっていました。また、事実上の零金利政策の継続期間を二〇一五年半ばまで延長することも決定されました。これは、市場に対して、長期にわたって金融緩和政策を維持するという意思を示すもので、企業や個人の投資活動を促す狙いがありました。