
企業価値向上を目指す投資手法:買収基金とは
買収基金は、投資家から資金を集め、経営難や成長の伸びしろがある企業に出資する投資形態です。基金は企業の株式を取得し、経営陣の刷新や事業構造の改革など、積極的に経営に関与し、企業価値の向上を目指します。不採算部門の整理や新規事業の立ち上げ、経費削減、技術革新の導入など、多岐にわたる施策を実行します。企業価値が向上した段階で株式を売却、または企業全体を譲渡し利益を確定させ、投資家へ分配します。基金の運用期間は数年から十数年と長期にわたることが多く、運用担当者は経営改善に深く関わります。また、資金提供だけでなく、経営に関する知識や経験を提供し、企業の成長を後押しします。近年、経営者の高齢化や後継者不足に悩む中小企業が増加しており、買収基金は事業承継の円滑な手段として注目されています。事業承継型の買収では、従業員の雇用維持や地域経済への貢献も重視される傾向があります。