
共同出資契約:ムダーラバとは何か?
ムダーラバは、イスラム金融における重要な契約であり、出資者と事業者が協力して利益を分ける共同事業のようなものです。出資者は事業に必要な資金を全額提供し、事業者はその資金と自身の知識・経験を活かして事業を運営します。利益が出た場合は、事前に決めた割合で両者が分配しますが、損失が出た場合は原則として出資者が出資額の範囲内で負担します。事業者は労働力や時間を提供しているので、基本的には責任を負いません。ただし、事業者の過失や不正による損失は責任を問われることがあります。ムダーラバは資金調達だけでなく、資本と経営能力を組み合わせて新たな価値を生み出すことを目指す、イスラム教の教えに基づいた協力的なビジネスモデルです。現代では投資事業組合や事業融資などに応用されています。