
海外に眠る米ドル:ユーロダラーとは何か
ユーロダラーとは、米国の外にある銀行に預けられた米ドルのことです。多くは欧州の銀行に存在したため、この名が付きましたが、実際には世界中の銀行で取引されています。その起源は冷戦時代に遡ります。当時、東側の国々は米国への直接預金を避け、欧州の銀行を経由してドルを保有しました。また、欧州の銀行もドル建て預金を集めることで、国際金融市場での競争力を高めようとしました。1958年の西欧通貨の交換性回復が、ユーロダラー市場の成長を後押ししました。これにより、国際的な資金移動が容易になり、ドルが欧州の銀行に流れ込みました。ユーロダラー市場は、米国の金融政策の影響を受けにくく、独自の金利水準を持つため、国際的な資金調達や投資において重要な役割を果たしています。その規模は大きく、世界経済全体に影響を与える可能性があります。