
市場環境を読む羅針盤:連動性指標の徹底解説
連動性指標、別名リスク回避時収益率指数(以下RORO指数)は、株式や国債、為替、商品など、様々な資産の収益率の相関関係を分析し、数値化したものです。具体的には、多数の資産群(例34種類)を対象に、日々の収益率の変動を詳細に分析します。その際、統計学的な手法である主成分分析を用いることで、複雑な市場の動きを一つの指標にまとめます。市場が安定し、投資家が積極的にリスクを取るか、避けるかの動きが少ない状況では、資産間の関連性は低くなり、RORO指数も低い値を示す傾向があります。しかし、世界経済の変動や地政学的なリスクが高まると、投資家の心理が大きく揺さぶられ、市場全体がリスク選好またはリスク回避のどちらかに大きく偏ることがあります。このような状況下では、多くの資産が同じ方向に動きやすくなり、個々の資産の特性が薄れるため、RORO指数は高い値を示すようになります。そのため、この指数は市場全体のリスクに対する感応度を示すバロメーターとして機能すると言えるでしょう。投資家は、この指数を参考に市場の状況を把握し、より適切な投資判断に繋げることが期待できます。