ローレンツ曲線

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経済指標

所得格差を測る指標:ジニ係数とは

ジニ係数は、社会全体の所得がどれだけ平等に分配されているかを示す指標です。考案者の名にちなんで命名され、ローレンツ曲線というグラフを用いて算出されます。ローレンツ曲線とは、所得の低い層から順に人口を累積していき、その累積人口が持つ所得の割合を示したものです。もし、全ての人が同じ所得を得ている完全に平等な社会であれば、ローレンツ曲線は完全平等線と呼ばれる45度の直線になります。しかし現実には所得格差が存在するため、ローレンツ曲線は下方へ湾曲します。ジニ係数は、この完全平等線とローレンツ曲線で囲まれた部分の面積を、完全平等線より下の三角形の面積で割った値として算出され、0から1の間の数値で表されます。0に近いほど平等、1に近いほど不平等であることを示し、社会の安定度を測る上で重要な指標となります。国や地域、時代によるジニ係数を比較することで、所得格差の現状を把握できます。また、格差是正のための政策の効果測定にも利用され、政策実施前後のジニ係数の変化を分析することで、政策の効果を評価することが可能です。所得格差だけでなく、資産や教育機会の不平等さを測る指標としても応用されています。