
第一次産業から広がる事業展開:第六次産業とは
第六次産業とは、第一次産業が生産活動に留まらず、食品加工や販売といった二次・三次産業の領域まで進出する経営形態を指します。これは、農業経済学者の今村奈良臣先生が提唱した概念です。例えば、農家が自ら育てた作物を加工して販売したり、漁師が水揚げした魚介類を料理店で提供したりする事例が該当します。これにより、生産者は新たな価値を創造し、収入源を多様化させることが可能となります。地域経済の活性化や食料自給率の向上にも貢献すると期待されており、過疎化が進む地域では、地域資源を有効活用した雇用創出の手段として注目されています。第六次産業は、単なる産業構造の変革に留まらず、地域社会全体の持続可能性を高めるための重要な戦略と捉えられています。