
国の経済力を測る潜在成長率とは
潜在成長率とは、ある国が持つ経済力を最大限に引き出した際に実現可能な成長の上限を示す指標です。これは、国内総生産(通称ジーディーピー)の潜在的な増加率として表されます。算出においては、労働力や資本といった資源を完全に活用することを前提としています。もし実際の経済成長率が潜在成長率を下回る場合、それは資源の活用が不十分であることを示唆し、景気対策の必要性が高まります。逆に上回る場合は、経済の過熱を示す可能性があり、金融引き締めなどの対応が求められることがあります。潜在成長率は、労働、資本、そして全要素生産性の三要素によって構成されます。労働は人口や労働時間、参加率に影響され、資本は設備投資などの蓄積状況に左右されます。全要素生産性は、技術革新などが生産性を向上させる度合いを示します。潜在成長率を把握することは、将来の経済成長を予測し、適切な政策を立案するために不可欠です。