
市場の不安を示す指標:国債と銀行間金利の差
金融の信用に対する不安は、市場に様々な影響を与えます。特に重要なのが、国債と銀行間の金利差です。これは、短期国債と銀行間での取引金利の差を示し、この差が広がると、市場参加者は金融機関の信用リスクが高いと判断します。信用不安が高まると、投資家はより安全な資産へ資金を移そうとします。その結果、国債の需要が増加し金利は低下します。一方、銀行間取引金利は、銀行同士が資金を貸し借りする際の金利で、各銀行の信用リスクが反映されます。信用不安が拡大すると、銀行は互いに資金を貸し出すことを慎重になり、貸出金利を引き上げます。このように、国債金利の低下と銀行間取引金利の上昇が同時に起こることで、金利差は拡大します。この動きを注意深く観察することは、金融市場の健全性を評価する上で非常に重要です。