
貨幣の価値を守る仕組み:金本位制とは
金本位制とは、国の通貨価値を金という貴金属の量で定める制度です。中央銀行は、発行するすべての紙幣に見合うだけの金を保有し、国民からの要求に応じて紙幣を金と交換する義務を負います。この制度の利点は、通貨の価値が金という安定した資産に裏打ちされるため、信頼性が高まることです。また、国際間の取引においては、金の量を基準として通貨間の交換比率が決定されるため、為替相場が安定しやすいという特徴がありました。しかし、国の経済規模が拡大すると、それを支えるだけの金を確保することが難しくなるという問題点も抱えています。そのため、現代においては、ほとんどの国が金本位制を採用していません。