利ざや

裁定取引、別名鞘取りは、市場間のわずかな価格差を利用して利益を狙う手法です。同じ価値を持つ資産が、異なる場所で一時的に異なる価格で取引されている状況を利用します。例えば、ある暗号資産がA取引所では100円、B取引所では105円で売買されているとします。この時、A取引所でその資産を購入し、直ちにB取引所で売却すれば、5円の差額が利益となります。手数料を考慮する必要はありますが、理論上低リスクで利益を得られます。しかし、裁定取引は迅速な判断と行動が不可欠です。市場の変動を常に監視し、即座に取引を実行できる体制が求められます。また、多くの参加者が参入すると価格差は縮小するため、常に新たな機会を探す必要があります。裁定取引は、市場の効率性を高める役割も担っています。価格差を解消する動きは、市場価格の均衡をもたらし、より健全な市場の形成に貢献します。