
うま味だけを吸い取る?公共サービスの課題
現代社会では、様々な分野で新しい事業者が増えましたが、全ての人が利益を得られるとは限りません。ここで問題となるのが「良い所取り」です。これは、事業者が利益の出やすい部分だけを選んで事業を行うことを指します。例えば、通信事業者が都市部でのみ高速通信サービスを提供したり、交通事業者が利用者の多い路線だけを運行したりするような場合です。これは効率的な経営戦略に見えますが、公共サービスの理念から外れる可能性があります。全ての人が公平にサービスを受けられるべきですが、良い所取りによってそれが難しくなるかもしれません。事業者は利益を追求しつつ、公共サービスとしての責任をどう果たすべきか、社会全体で考える必要があります。良い所取りは、競争を促してサービスの質を上げ、価格を下げるという目的とは逆に、地域間や所得による格差を広げる可能性があります。そのため、規制を緩める際には、良い所取りを防ぐ対策が必要です。例えば、事業者に一定の範囲でサービス提供を義務付けたり、利益の少ない地域へのサービスを支援する制度を設けるなどが考えられます。