経済の実態を示す指標:実質国内総生産とは
経済の大きさと発展具合を知る手がかりとして、国内総生産は欠かせない指標です。しかし、表面的な国内総生産だけでは、物の値段の変化に左右され、経済の本当の姿が見えにくいことがあります。そこで実質国内総生産が役立ちます。これは、基準となる年の商品やサービスの値段を使い、今の国内総生産を計算する方法です。これによって、値段の変動による影響をなくし、その年に国内で作られた商品やサービスの本当の価値を知ることができます。例えば、ある国で今年、去年に比べて表面的な国内総生産が増えたとしても、物の値段が大きく上がっていれば、実際に作られた物の量は減っているかもしれません。このような時、表面的な国内総生産だけを見て経済が良くなっていると判断すると、間違った考えを持つことになります。実質国内総生産を使うことで、値段の変動による影響を除き、経済の発展をより正確に捉えることができるのです。これは、経済政策を考える上でもとても大切です。政策を考える人は、実質国内総生産の動きを見て、経済の状況を把握し、適切な政策を立てることができます。もし、実質国内総生産がなかなか伸びない場合は、政府は経済を元気にするための対策を考える必要があるでしょう。また、実質国内総生産が急激に伸びている場合は、物の値段が上がりすぎるのを抑える対策を考える必要が出てくるかもしれません。このように、実質国内総生産は、経済の健康状態を保つために無くてはならない指標と言えるでしょう。