
将来世代も考慮した国民の隠れた負担割合
潜在的国民負担率とは、現在私たちが支払っている税金や社会保険料に加え、将来の世代が負担するであろう国の借金も含めて、国民全体の所得に占める割合を計算したものです。これは、目に見える税金や保険料だけでは、国の財政状況を十分に理解できないという問題から生まれました。国は政策を行うために税などを集めますが、それだけでは足りない場合、国債を発行して借金をします。この借金は、将来的に税金などで返済する必要があるため、将来の世代への負担となります。潜在的国民負担率を計算することで、現在と将来の負担を含めた、より現実的な国民の負担状況を把握できます。この指標は、国の財政の健全性を評価し、持続可能な社会保障制度を作るために重要な情報となります。政府がこの割合を注視し、一定水準以下に抑える目標を掲げているのは、将来の世代への過度な負担を避けるためです。高い潜在的国民負担率は、将来の世代がより多くの税などを支払う可能性を示し、経済成長の鈍化や社会不安につながる恐れがあります。そのため、政府は収入と支出のバランスを考え、無駄な支出を減らすとともに、経済成長を促進する政策を行う必要があります。