
預かり契約の基本: 仕組みと注意点
預かり契約は、民法で定められた契約の一種です。ある人(受寄者)が、別の人(寄託者)のために物を預かり、保管することを約束するもので、民法の第六百五十七条に規定されています。この契約の大きな特徴は、受寄者が実際に物を預かった時点で初めて契約が成立するという点です。単に預かる約束をしただけでは不十分で、実際に物が引き渡される必要があります。このような契約形態は「要物契約」と呼ばれます。身近な例としては、旅行中に友人にペットを預けるケースが挙げられます。ペットを実際に友人に預けた時点で、預かり契約が成立し、友人はペットを適切に世話する義務を負います。預かり契約を結ぶ際は、預ける物の種類や状態、保管方法、万が一の際の責任範囲などを明確にしておくことが重要です。これらの点を事前に確認することで、将来的なトラブルを避けることができます。