投資理論

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経済指標

企業の価値を測る指標:投資判断への応用

企業の健全性や成長性を測る上で、多くの指標が存在します。中でも、著名な経済学者であるジェームズ・トービン氏が提唱した「トービンのQ」は、独自の視点から企業の価値を捉える指標として知られています。これは、株式市場における企業の評価額と、その企業が実際に保有する資産の価値を比較するものです。具体的には、株式市場での評価額が、企業が持つ資産を再調達するのに必要な金額と比べて高いか低いかを判断します。これにより、投資家は株価が割安か割高かを判断する材料を得られます。株価のみで投資判断を下すのではなく、企業の持つ資産という裏付けと照らし合わせることで、より精密な分析が可能になるのです。
投資家

資産価格決定理論の先駆者:ウィリアム・シャープの功績

資産価格評価方式(以下、資本資産価格モデル)は、投資における危険度と期待収益率の関係を示す重要な考え方です。ウィリアム・シャープ氏らは、この理論を独自に構築しました。資本資産価格モデルでは、個々の投資対象の収益率は、市場全体の変動に対する感応度(ベータ値)に比例すると考えます。この理論は発表後、金融業界や研究機関に急速に広まりました。投資戦略の策定や投資組み合わせの評価に欠かせない手段となり、投資判断の合理化に役立っています。シャープ氏の研究は、現代ポートフォリオ理論の基礎となり、金融市場における危険管理と資産配分の方法に革新をもたらしました。彼の功績は、理論と実践を結びつけ、投資家が効率的に資本を配分することを可能にしたという点で非常に重要です。