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金利・為替

負の利息とは何か?経済への影響を分かりやすく解説

負の利息とは、お金を預けた人が、利息を得る代わりに手数料を支払う状態を指します。通常、利息はお金を貸した側が受け取るものですが、負の利息は経済を活性化させるために、中央銀行が金融機関に対して適用することがあります。これは、金融機関が資金を中央銀行に預け続けるのではなく、企業への融資や投資を促す狙いがあります。ただし、一般の預金者が直接影響を受けることは稀で、主に金融機関同士の取引で見られます。この政策は、従来の金融政策が効果を発揮しにくい場合に用いられますが、金融機関の収益悪化や預金者の不安を招く可能性もあるため、慎重な導入と影響の観察が重要です。
組織・団体

欧州銀行監督者委員会の役割と重要性

欧州銀行監督者委員会は、西暦二千三年十一月に欧州委員会の決定により設けられました。その理由は、欧州連合における金融市場の一体化を進め、金融制度の安定性を高めるためです。当時、国境を越えた金融取引が活発化し、各国が個別に監督するだけでは不十分でした。そこで、連合全体で統一された監督基準を作り、加盟国間の連携を強める必要がありました。委員会の主な役割は、連合の金融監督に関する法令の適用について、加盟国の監督機関に助言や基準を示すことです。また、金融機関の監督に関する加盟国間の協力を促し、情報交換を円滑にすることも重要でした。欧州中央銀行など関連機関との連携も図り、連合全体の金融システムの安定に貢献することを目指しました。この委員会のおかげで、連合の金融監督体制はより効率的になり、金融危機への対応能力が向上しました。規制のばらつきを減らし、市場参加者の予測可能性を高めることにも貢献しました。しかし、その後の金融危機を経て、委員会の権限や組織体制をさらに強化する必要性が高まり、後の欧州銀行監督機構の設立へと繋がりました。
組織・団体

欧州安定機構:ユーロ圏の危機対応の要

欧州安定機構、通称ESMは、欧州共通通貨圏における財政危機が再び起こるのを防ぎ、加盟国を支えるために作られた大切な機関です。始まりは二〇一〇年のギリシャの財政問題にさかのぼります。当時、ギリシャは市場からお金を借りることが難しくなり、欧州共通通貨圏全体に財政不安が広がりました。これを受けて、一時的な対策として欧州金融安定基金、通称EFSFが作られ、ギリシャなどの苦しい状況にある国々への支援が行われました。しかし、EFSFは一時的な対策であったため、より永続的で力強い危機対応の仕組みが必要となりました。そこで、EFSFの期限切れに伴い、その後を継ぐものとして欧州安定機構が設立されることになったのです。この機構は、欧州版の国際通貨基金とも呼ばれ、欧州共通通貨圏の財政安定に欠かせない役割を担うことが期待されています。