
欧州銀行監督機構:金融安定の要
欧州銀行監督機構は、欧州連合全体の金融システムの安定と健全性を守るために設立されました。その背景には、二千八年の世界的な金融危機があります。当時、欧州連合各国は異なる金融規制を適用しており、国境を越えた銀行の資金移動や自己資本規制の管理が困難でした。また、各国規制当局間の情報共有も円滑に進まず、危機への対応を遅らせました。この状況を打開するため、欧州連合全体で統一された規制を策定し、各国当局間の連携を強化する必要が生じました。このような課題を解決するために、二千十一年、欧州銀行監督機構が設立されました。その主な目的は、欧州連合全体の金融機関に対する監督基準を統一し、金融市場の透明性を高め、消費者保護を強化することです。設立当初から、欧州銀行監督機構は、欧州連合の金融システムの安定に不可欠な役割を担うことが期待されていました。