生活の質

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経済指標

人の発展度合いを示す指標:人間開発指数とは

人間開発指数は、一九九〇年に経済学者のマブーブルハク氏によって考案されました。当時、国の発展度合いは国内総生産(GDP)で測られていましたが、彼はそれだけでは国民の生活の質や幸福度を十分に表せないと考えました。そこで、経済的な豊かさだけでなく、健康や教育といった、人が人として生きる上で欠かせない要素も加味した総合的な指標を提唱しました。こうして生まれた人間開発指数は、経済成長だけでなく、人々の潜在能力を引き出し、充実した生活を送る機会がどれだけあるかを評価します。この新たな発想は開発経済学に大きな影響を与え、国際社会における開発目標の設定や政策立案で重要な役割を果たしています。人間開発指数は、経済成長だけでなく、人々の幸福と福祉を重視する社会を目指すべきという考えを改めて示してくれる、意義深い指標です。
経済政策

公共投資が生み出す持続的な恩恵:ストック効果とは

社会基盤の整備は、社会全体の進歩に不可欠です。それは一時的な景気刺激策に留まらず、長期に亘り社会に恩恵をもたらす「蓄積効果」を生み出します。これは、道路や橋、港湾、鉄道といった社会基盤が整備されることで、人々の暮らしや経済活動に継続的な好影響を与えることを意味します。物流の効率化や生活環境の改善、情報へのアクセスの向上など、その効果は多岐に渡ります。これらの効果を最大限に引き出すためには、整備後の維持管理が重要です。定期的な点検や補修を怠ると、効果が薄れてしまう可能性があります。また、社会の変化に合わせて、既存の社会基盤を更新したり、新たな社会基盤を整備したりすることも求められます。例えば、高齢化に対応した公共施設の改善や、再生可能エネルギーの普及を促進する施設の建設などが挙げられます。