経済思想

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経済の歴史

市場を導く見えざる力:経済学の根幹

「見えざる手」とは、個々の人が私欲を追求する行動が、意図せずとも社会全体の利益に繋がるという考え方です。これは、経済学の祖であるアダム・スミスが唱えたもので、各人が自身の利益を追求することで、市場全体が活性化し、資源が効率的に分配されると説明しました。まるで「見えざる手」に導かれるかのように、個人の利己的な行動が社会全体の福祉に貢献するというのです。この概念は、自由な市場経済の根幹をなすもので、各経済主体が自由に意思決定を行い、競争することで、より良いものが提供され、経済全体が発展するという仕組みを説明するものとして、現代でも重要な意味を持っています。
経済政策

市場原理主義の源流:シカゴ学派を読み解く

シカゴ学派とは、シカゴ大学経済学部から生まれた経済学の一派です。彼らは、新古典派経済学の価格理論と、古くからの自由主義経済の考え方を大切にしています。市場が自由に競争することで、物が一番効率よく配られ、経済が成長すると信じているのが特徴です。そのため、政府が経済に介入することはできるだけ少なくするべきだと考え、規制を緩めたり、国が運営していた事業を民間に任せることを積極的に進めます。ミルトン・フリードマンやジョージ・スティグラーなど、有名な経済学者を多く輩出し、彼らの考え方は世界中の経済政策に大きな影響を与えました。市場には自らバランスを調整する力があると考えていますが、市場がうまくいかない場合があることも理解しています。しかし、その解決策として政府が介入するよりも、市場の仕組みを改善することを優先します。彼らの理論は現代経済学において重要な位置を占めており、経済政策を考える上で欠かせない視点を提供してくれます。