賃金

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経済指標

給与上昇と物価高騰の悪循環:その構造と対策

給与が増加すると、人々の購買意欲が高まり、物が売れやすくなります。しかし、供給が追い付かないと物の値段が上がります。生活必需品の値段が上がると、人々は更なる給与の増加を求め、企業はそれに応えざるを得ません。この繰り返しが物価を持続的に上昇させる要因となります。経済学ではこれを「給与上昇と物価高騰の悪循環」と呼びます。中央銀行は金利を上げて物価上昇を抑えようとしますが、給与が上がり続けると効果が薄れることがあります。この悪循環を断ち切るには、金融政策だけでなく、経済の仕組みを変える必要があります。企業は生産性を向上させ、国際競争力を高めることで物価上昇を抑えることができます。また、企業と労働者が協力し、給与と物価について共通の理解を持つことが重要です。
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内部者・外部者理論:雇用の安定と賃金の均衡

内部者・外部者理論は、企業に既にいる従業員とこれから入ろうとする従業員の間の力の関係に焦点を当てた考え方です。特に、労働組合が強い影響力を持つ場合や、特別な技能や知識を持つ従業員が重要な役割を担っている場合に、この理論が当てはまります。企業は、新しい視点を持つ外部者よりも、企業文化や業務に慣れた内部者を優先する傾向があります。内部者は、外部者が低い賃金で入ってくることで、自分の仕事が奪われるのではないかと心配し、外部者の受け入れに抵抗することがあります。その結果、賃金の交渉は内部者の利益を優先して行われ、外部者の雇用機会が少なくなることがあります。この理論は、高い失業率や賃金格差を説明する上で役立ち、企業の人事戦略や労働政策を考える上で重要です。
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繰り延べられた賃金下落と物価の下落

経済が停滞する時期に、多くの企業は従業員の給与水準を維持しようと努めます。これは、将来の経済回復を見越して、有能な人材を確保するためです。しかし、給与維持は企業の収益を圧迫し、新たな投資や事業拡大を遅らせる可能性があります。経済状況が改善しない場合、企業は新規採用の抑制や福利厚生の見直しなど、他のコスト削減策を検討せざるを得ません。このような状況は、従業員の労働環境を悪化させ、将来への不安を増大させる可能性があります。企業と従業員が協力し合うことは重要ですが、経済状況の変化に柔軟に対応できる仕組みも必要です。