
遅れてやってくる購買意欲:繰延需要とは
経済の動向を把握する上で、消費者の購買意欲は欠かせない指標です。しかし、購買意欲は経済全体の流れと常に連動するわけではありません。特に「繰延需要」という概念は重要です。これは、経済状況が好転した後や、消費者が購買を控えていた期間を経て、遅れて生じる需要を指します。例えば、不況時には将来への不安から消費を抑える人が多いですが、景気回復とともに抑えられていた購買意欲が表面化し、様々な商品やサービスへの需要が高まります。繰延需要は、経済回復を加速させる力を持つ一方で、供給側の準備不足は物価上昇を招く可能性もあります。政策立案者や企業経営者は、繰延需要の動向を注視し、適切な対応策を講じる必要があります。過去の経済状況や消費者心理の分析などを通じて、ある程度の予測を立て、生産計画や在庫管理、価格設定を行うことが重要です。