
金融緩和策の一種:量的緩和とは
量的緩和は、中央銀行が経済を活性化するために行う金融政策です。わが国では、バブル崩壊後の長い不況から抜け出すために導入されました。従来の政策では金利を下げるのが主でしたが、不況が深刻化し、金利を下げても効果が出にくくなったのです。そこで、日本銀行は金融機関が持つ預金残高の量に注目した政策を始めました。当時のわが国経済は物価が下がり続け、企業は投資を控え、人々は買い物をためらう状況でした。量的緩和は、このような状況を変え、経済を活発にすることを目指した政策です。中央銀行が市場にたくさん資金を供給することで、金融機関がお金を貸しやすくし、企業の資金調達を容易にし、最終的には人々の消費や投資を促すことを目的としていました。この政策は、わが国経済にとって大きな転換点となりました。