
企業年金制度の一翼を担う厚生年金基金の仕組み
厚生年金基金は、法律に基づき設立された企業年金の一種で、認可を受けた法人組織です。日本における年金制度は、一般的に3階建て構造で捉えられます。1階は国民年金という基礎年金、2階は厚生年金や共済年金といった公的な年金、そして3階部分が企業年金などです。厚生年金基金は、この3階部分を担い、加入者の老後生活を豊かにすることを目的としています。基礎年金や厚生年金に加えて給付を行うことで、退職後の所得を確保し、生活水準の維持を目指します。厚生年金保険の適用を受ける事業所の事業主と従業員が構成員となり、企業と従業員が協力して将来の年金を積み立てる仕組みです。近年、制度の複雑さなどから他の制度への移行が進んでいますが、日本の企業年金制度において重要な役割を果たしました。企業と従業員が老後を支え合う、相互扶助の精神に基づく制度と言えるでしょう。