
通貨供給量指標「M1」:その意味と経済への影響
「M1」とは、国内で流通する通貨の総量を測る指標の一つです。具体的には、私たちが普段使う現金(日本銀行券と硬貨)と、すぐに引き出せる預金(普通預金や当座預金など)の合計額を示します。ただし、金融機関が持つ小切手や手形は、重複計算を避けるため除外されます。つまり、「M1」は、企業や個人が日々の支払いに使えるお金の量を表しているのです。この指標を見ることで、経済の動きや物価の変動を予測できます。中央銀行が金融政策を決める際にも、「M1」の増減は重要な判断材料となります。例えば、「M1」が増加していれば、経済が活発化し、物価が上がる可能性があるため、金利を引き上げるなどの対策が考えられます。逆に、「M1」が減少していれば、経済が停滞している兆候と見なされ、金利を下げるなどの対策が検討されることがあります。このように、「M1」は、経済の状態を知り、将来を予測するための大切な指標と言えるでしょう。