
石油輸出国機構:国際原油市場への影響
石油を産出する国々が協力して設立した石油輸出国機構、通称OPECは、1960年に誕生しました。その背景には、当時、国際石油資本と呼ばれる巨大企業群が、産油国の同意を得ずに原油の価格を一方的に引き下げた出来事がありました。エクソンやシェルといった企業は、産油国から石油を採掘し、精製、輸送、販売までを独占していました。産油国は、自国の資源から得られる利益を守るため、結束する必要性を感じました。そこで、サウジアラビアなど5か国が中心となり、イラクのバグダッドで会合を開き、OPECが設立されたのです。OPECの目的は、加盟国の石油政策を調整し、原油価格の安定を目指すとともに、産油国の利益を守ることでした。当初は、巨大企業との交渉力を高めることが目的でしたが、次第に原油価格を調整し、世界の石油市場に大きな影響力を持つ組織へと成長しました。