
英国金融監督庁の終焉と新たな体制への移行
一九八五年六月、証券投資委員会の監督下で、英国の金融を統括する政府機関として金融監督庁が設立されました。二十八年間にわたり、銀行業、年金投資顧問業、生命保険業、外国為替取引業者など、広範な金融分野を監督しました。英国経済の安定と成長を支え、金融市場の健全性を維持し、投資家を保護するために、厳格な規則を設けました。金融機関のリスク管理体制を評価し、問題があれば是正を促し、金融システムの安定に尽力しました。金融監督庁は、英国が国際金融の中心地としての地位を確立する上で貢献しました。国際的な基準に準拠した監督体制を構築し、海外の金融機関との連携を強化することで、海外からの投資を呼び込みました。その実績は、世界各国の金融当局からも高く評価されました。しかし、課題も存在していました。