
知的財産を守る国際的な約束事:トリプス協定とは
知的所有権の貿易関連の側面に関する協定、通称トリプス協定は、世界貿易機関の発足と時を同じくして1995年に誕生しました。それ以前は、関税と貿易に関する一般協定が貿易の自由化を進めていましたが、時代が進むにつれて、より広い範囲を対象とする必要が出てきました。特に、知的財産権の保護は国際的な商取引において重要性を増し、各国がそれぞれ異なる基準で保護するのではなく、共通のルールを作る必要性が高まりました。そこで、ウルグアイ・ラウンドという多角的な貿易交渉を通じて、トリプス協定が交渉され、成立しました。この協定は、知的財産権の保護を貿易と連携させることで、権利侵害が貿易の妨げになることを防ぎ、国際的な商取引を円滑にすることを目指しています。各国は自国の知的財産権制度を整え、外国の知的財産権も同様に保護することが求められています。トリプス協定の成立は、知的財産権の国際的な保護体制を確立する上で重要な出来事であり、その後の国際貿易と知的財産権のあり方に大きな影響を与えました。