
地球規模の課題解決を目指す:国際連帯税の仕組みと展望
国際連帯税とは、地球規模の経済活動に対して課税を行い、その収入を貧困や疾病といった世界的な問題の解決に役立てる制度です。その発想の源流は、一九七〇年代にジェームズ・トービン氏が提唱したトービン税にあります。これは、短期的な投機的取引を抑えるために、通貨の取引に少額の税を課すというものでした。国際連帯税は、この考えをさらに発展させ、より広い範囲の国際的な経済活動に適用することで、得られた資金を開発途上国への援助や地球規模の問題解決に使うことを目指しています。つまり、国境を越えた経済活動から得られる利益を、地球全体の福祉のために還元するという考えに基づいています。この制度は、単に税金を集めるだけでなく、国際社会全体の連帯意識を高め、地球規模の問題に対する責任を分担するという理念を具体化するものです。世界が一体化していく現代において、国際連帯税は、持続可能な社会を実現するための重要な手段として、ますます注目されています。