
緊急輸入制限措置:国内産業を守る盾
特別防衛措置、別名「特別安全保護措置」は、海外からの商品が大量に流入し、国内産業が深刻な打撃を受けるのを防ぐための緊急的な輸入制限策です。世界貿易機関の農業協定第5条に基づき、特にウルグアイ・ラウンド交渉で合意された内容です。これは、米、麦、乳製品など、これまで関税以外の方法で調整されていた農産物に関税をかける代わりに認められた措置です。つまり、輸入量が急増したり、輸入価格が著しく低下した場合、追加で関税を引き上げることができます。日本の法律である関税暫定措置法にも規定されており、輸入量増加時に税率を上げる「数量基準」と、輸入価格低下時に税率を上げる「価格基準」の二種類があります。この制度は、国内生産者の保護と市場の安定維持に重要な役割を果たしています。